排水処理装置を使用し、きれいな水に戻すことは、私たちの地球にとって大きな貢献となります。新しい排水処理法を用いたAT-BCシステムは、生活排水や産業排水の処理に大きくコスト削減を実現し、環境への負荷を削減できるシステムです。従来の排水処理装置と比較して、単位面積あたりの処理能力が高く大幅に効率がアップするため、将来予想される排水規制の強化にも対応しやすいでしょう。
AT-BCシステムは活性汚泥法と回転生物接触法を進化させた廃水処理システムです。従来の排水処理装置の多くは、活性汚泥法という方法を用いています。汚れた排水から汚泥を取り除き、汚水を浄化していく過程で、微生物が汚れを分解する力を用いて浄化処理を行う方法をとっています。
排水の汚れを分解する微生物は酸素を与えることでより動きが活発化するため、曝気槽という汚水の入った大きなタンクに酸素を送る必要があります。
従来型の排水処理装置では、この大容量の曝気槽が大きな敷地の面積を占めてしまっていました。
新しいAT-BCシステムでは、曝気槽に汚水を通す前段階で、AT-BC装置という立体回転装置に汚水を通します。厚さ5cm、直径2mのへちま状になったローラーのようなもののなかに汚水を通し回転させて微生物と接触させることで、微生物が汚水の有機物を60~70%除去してくれます。この装置によって、従来型では大きく面積を占めていた排水処理に必要な曝気槽が小さい容量のもので済むようになりました。
また、AT-BCシステムでは、汚水が含む有機物を分解する役割を担う微生物にバチルス菌を起用しています。バチルス菌は身近なものでは味噌や漬物などに含まれ、質のいい畑地などに多く生息している土壌菌の一種です。従来の活性汚泥法で用いる微生物に比べて数十倍の分解能力を持っているため、汚水の浄化に驚くほどの効率アップを図ることが可能となっています。
また、バチルス菌は短時間で臭気を分解する能力があるため、排水処理過程で大きく悪臭を除去することが可能となり、排水処理工場の周辺環境の改善にも大きく功を奏しています。